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稲葉真紀 今日のひとりごと  

私の出産。 ~2~

城崎にいるダンナに電話をした。
手術立会いの話をしたら、
「えっ?それは・・・。」
って。
分娩に立ち会うのも躊躇する男の人が多いのに、
手術立会いなんて、血が苦手な男の人には酷な話だと思った。
だけど、
「ここまで来たんだから、最後までつきあって。」

城崎から京都に駆けつける間に、彼も決心がついたらしかった。
「大丈夫?」
って聞くと、
「ん~?大丈夫だぁ。」って、大きな笑顔で応えた。

私も、彼が到着するまでに気持ちが落ち着いた。
最初は・・・。
どう説明したらいいか。
大失敗したような気になった。
例えば。
中学校でいつもトップクラスの成績だったのに、
受験では、志望校はおろか、大半が通う地元の公立高校も落ちて、
受けるつもりもなかったのに練習にと薦められて受けた「滑り止め」に行くことになったような・・・。
ややこしい?
でも、そんな感じだった。
今、考えると馬鹿みたい。
お産は受験じゃない。
妊娠中に順調でも、いくら努力したと言っても、何があるかわからない。
妊娠の途中で小さな命を失ってしまうこともあるし、
陣痛を乗り越えたのに死産という悲しい結果になることもある。
逆に、子供は産まれてもお母さんが亡くなることもある。
原因は、わからないことが多い。
それよりまし、と言うのではない。
「命を産む。」というのは本当に厳しいことなのだ。
私が思っていた「普通」はあたりまえなんかじゃなかった。
私が健康なのも、あたりまえじゃなかったんだ。

「帝王切開」は、「切開手術の帝王」なんだという話を友人が教えてくれた。
ほかの手術は、一人の命を守るためのもの。
「帝王切開」は、二人の命を守るから、「帝王」なんだって。
ステキな名前だと思った。

私の場合。
陣痛が全く来なかった。
赤ちゃんが、私の身体には大きくなりすぎていた。
(頭が大きかったのでエコーの推定で3600gはあると見られていた。)
子宮口が全く開いていなかった。
何故か、はわからない。
体質だと言われたけど、34歳ギリギリでの出産という年齢もあったのかもしれない。

医師によると。
あと3週間待てば陣痛があると思うけど、そこまで待った時に命の保障ができない。
梅雨明けが伸びたせいで、妊婦さんの多くが出産が遅れていたらしい。
私の場合は初産だし、切ったほうがいいって。
ものすごく簡潔な、納得のいく説明だった。

それからは、
私とダンナは、赤ちゃんに会えることだけを考えた。
楽しみやなぁって。どんな顔してるかなぁ。男の子かなぁって。
by gii1213 | 2006-08-20 11:31
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大阪でMCタレントをしながらタレント事務所を営むも、城崎温泉に嫁ぐことになり生活が180度変わった・・・。テーマもばらばらに、日常の中での勝手なひとりごとです。             

by gii1213
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